Plesk の UI から[システムアップデート]ツールを使用して、システムパッケージのアップデートをインストールできます。このツールは、yumapt など、OS パッケージマネージャのネイティブ機能を使用してアップデートをインストールします。これにより、パッケージを簡単に監視し、最新状態に保つことができます。さらに、Plesk UI は一部の Plesk 管理者にとってシステムパッケージを制御する唯一の方法となります。

System Updates ツールは、以下の 2 つの目的で便利です。

  • OS パッケージのアップデート管理
  • Plesk に付属するサードパーティコンポーネント(PHP、Apache、Dovecot など)のアップデート管理。これらのコンポーネントのアップデートは、Plesk インストーラを使用してもインストールできますが、このガイドでは、これらをシステムアップデートの一部とみなします。これは Plesk のデフォルトの挙動です。

System Updates ツールにより、以下の操作が可能です。

  • 使用可能なアップデートを表示する
  • パッケージの個別アップデートまたは一括アップデートを管理する
  • パッケージをロックして自動更新を防止する
  • パッケージのロックを解除して自動更新を可能にする
  • アップデートに関連するメール通知を構成する

System Updates ツールによって Plesk パッケージのアップデートがインストールされることはありません。この目的には Plesk インストーラを使用します。Plesk のアップデートについては「Plesk アップデート」を参照してください。

警告: 更新中に何らかの問題が発生した場合、OS で提供されている機能で解決を試みてください。System Updates ツールは、yumapt などのシステムパッケージマネージャのフロントエンドに過ぎないため、それらの問題はシステムパッケージマネージャに関連すると考えられます。

System Updates ツールの使用を開始するには

System Updates ツールは Plesk でデフォルトで有効化されています。このツールは、[ツールと設定] > [サーバ管理]セクションの[システムアップデート]にあります。あるいは、[ツールと設定] > [アップデート設定] > [使用可能なアップデート]および[すべてのパッケージ]タブからでもアクセスできます。

以前に System Updates ツールを無効化した場合、以下の方法で panel.ini を編集します。

[updates]
systemUpdatesTool = on

システムアップデートのリポジトリを変更する

セーフアップデート

安定性と信頼性のために、System Updates ツールは各パッケージのアップデートを、このパッケージを最初にインストールしたリポジトリからインストールします。このモードを「セーフアップデート」と呼び、Plesk のデフォルトとなっています。

パッケージの更新に使用されるリポジトリを確認するには:

  1. [ツールと設定] > [アップデート設定] > [すべてのパッケージ]タブを開きます。

  2. [パッケージ]列を見ます。各パッケージのリポジトリが括弧内に表示されています。

    image 77146

別のリポジトリからパッケージを更新する必要がある場合は、セーフアップデートを無効化してください。

セーフアップデートを無効化する

セーフアップデートを無効化すると、System Updates ツールによって最初のパッケージと同じリポジトリからアップデートをインストールすることを保証できなくなります。この場合、yum、apt などのシステムパッケージマネージャにより、Plesk がない場合と同じ方法でアップデートが管理されます。したがって、システムで使用可能なリポジトリが他にあれば、そこからアップデートがインストールされる可能性があります。

セーフアップデートを無効化するには:

  1. [ツールと設定] > [システムアップデート]に進みます。

  2. [システムパッケージのセーフアップデートを有効化]オプションをクリアします。

    image 77153

別のリポジトリに切り替える

  1. セーフアップデートを無効化します。
  2. パッケージを更新します。
  3. セーフアップデートを有効化します。パッケージのアップデートが別のリポジトリからインストールされると、System Updates ツールはこの新しいリポジトリをパッケージの更新に使用するようになります。[すべてのパッケージ][パッケージ]列にはこのリポジトリが表示されます。

不明なリポジトリ

インストールされたパッケージのソースリポジトリが不明である場合、このパッケージは以下のいずれかのリポジトリからのパッケージによって更新されます。

  • システムリポジトリ:たとえば、CentOS、RedHat Enterprise Linux、CloudLinux の場合は ID が「base」または「update」のリポジトリ。Debian、Ubuntu の場合はそれぞれ origin が「Debian」、「Ubuntu」のリポジトリ
  • Plesk リポジトリ:たとえば、CentOS、RedHat Enterprise Linux、CloudLinux の場合は ID の先頭が「PLESK_」のリポジトリ。Debian、Ubuntu の場合は origin が「Plesk」のリポジトリ

異なるリポジトリからのアップデートを禁止する

安全ではないアップデートを許可するために使用できる[システムパッケージのセーフアップデートを有効]オプションを非表示にすることによって、安全ではないアップデートを禁止することができます。このオプションは、[ツールと設定] > [システムアップデート] > [セーフアップデート]にあります。

以下の方法で panel.ini を編集します。

  • [システムパッケージのセーフアップデートを有効化]オプションを非表示にするには:
[updates]
safeUpdatesManagement = false
  • Plesk に[システムパッケージのセーフアップデートを有効化]チェックボックスを表示するには:
[updates]
safeUpdatesManagement = true

注釈: 現時点では、パッケージリポジトリの追加や削除はできません。ただし、サーバへの root アクセス権があれば、パッケージマネージャ yumapt の通常の場合と同様に、リモートリポジトリを登録することができます。

システムパッケージを更新する

System Updates ツールはアップデートを毎日確認し、パッケージ一覧と Plesk ホームページに更新情報を表示します。また、構成されていれば、通知も送信されます。

システムパッケージを自動的に更新するには:

  1. [ツールと設定] > [サーバ管理] > [システムアップデート] > [設定]に進みます。

    あるいは、[ツールと設定] > [アップデート設定]に進みます。

  2. [システムパッケージのアップデートを自動インストールする]を選択します。

  3. (オプション、非推奨)セーフアップデートを無効化するかどうかを指定します。詳しくは、「システムアップデートのリポジトリを変更する」を参照してください。

  4. (オプション)インストールされたアップデートに関する通知を受信するには、通知設定を指定します。

    image 76417

システムパッケージを手動で更新するには:

  1. [ツールと設定] > [サーバ管理] > [システムアップデート] > [使用可能なアップデート]に進みます。

    リスト内の各パッケージについて、以下の情報を参照できます。

    • 使用可能なアップデートの詳細。表示するには、[アップデート]列でアップデートをクリックします。
    • パッケージの詳細。表示するには、[パッケージ]列でそのパッケージの名前をクリックします。
  2. すべてのパッケージまたは選択したパッケージを更新します。

    • アップデートが使用可能になっているパッケージをすべて更新するには、[すべて更新]をクリックします。
    • 特定のパッケージを更新するには、一覧からパッケージを 1 つ以上選択して[更新]をクリックします。

ロックされたパッケージを更新するには:

一部のパッケージがロックされていても、更新は可能です。

  1. [システムアップデート][更新](選択したパッケージのみを更新する場合)または[すべて更新]をクリックします。
  2. [パッケージを更新]ウィンドウで[パッケージをロック解除して、このアップデートのみを許可する]オプションをオンにします。

パッケージをロックして更新を防ぐには:

[ツールと設定] > [システムアップデート]で、パッケージを 1 つ以上選択して[ロック]をクリックします。

ロックされたパッケージは、System Updates による自動更新中に自動更新されませんが、手動で更新することはできます。それには、これらのパッケージを選択して[更新]をクリックし、[パッケージをロック解除して、このアップデートのみを許可する]をオンにします。この他にこれらのパッケージを更新する方法としては、OS のネイティブ機能を使用します。

ロックされたパッケージに依存するパッケージが他にある場合は、ロックされたパッケージの更新を許可するかどうか Plesk から確認があります。

パッケージのロックを解除して更新可能にするには:

[ツールと設定] > [システムアップデート]で、ロックされたパッケージを 1 つ以上選択して[ロック]をクリックします。

メール通知をセットアップする

デフォルトで、Plesk は使用可能なシステムアップデートとインストールされたシステムアップデートについてメールで自動通知します。Plesk は連絡先情報からメールアドレスを取得し、自動更新がオフになっている場合でも通知を送信します。

通知に関しては、以下の操作が可能です。

  • 別のメールアドレスを指定する
  • 通知の頻度を日次または週次から選択する
  • 通知のテキストと件名を変更する
  • 通知メールがどのように表示されるのか確認する
  • 通知をオフにする

メールアドレスを指定し、通知の頻度を選択するには:

  1. [ツールと設定] > [アップデート設定][Plesk]の下)に移動します。
  2. [通知]セクションで、必要なメールアドレスを指定するか、通知メールの頻度を選択します。
  3. [OK]をクリックします。

通知メールがどのように表示されるのか確認し、テキストと件名を変更するには:

  1. [ツールと設定] > [通知][Plesk]の下)に移動します。
  2. [システムアップデート:新しいアップデートに関する通知]という行を探し、以下を行います。
    • 通知をプレビューするには、この行で image icon preview アイコンをクリックします。プレビューは新しいタブで開きます。
    • テキストと件名を編集するには(HTML タグをテキストの書式設定に使用可能)、この行で image icon edit アイコンをクリックし、変更を加えて[OK]をクリックします。

自動メール通知についてはこちらをご覧ください。

更新ログを表示する

システムパッケージアップデートのログは /var/log/plesk/systemupdatestool.log にあります。

アップデートについて以下の詳細を参照できます。

  • 使用されたコマンド
  • システムパッケージマネージャからの出力
  • 処理の結果

System Updates ツールを無効にする

System Updates ツールを無効にするには、panel.ini に以下の行を追加します。

[updates]
systemUpdatesTool = off

System Updates ツールを無効にすると、Plesk ユーザインターフェースに[ツールと設定] > [システムアップデート]セクションが表示されません。[ツールと設定] > [アップデート設定]セクションは引き続き表示されますが、システムアップデートに関連するタブ(つまり[使用可能なアップデート]タブと[すべてのパッケージ]タブ)は表示されません。