DNS テンプレート
Plesk には、設定不要な DNS サーバが内蔵されており、顧客とサーバ管理者の双方が多岐にわたる DNS 設定を管理することができます。このトピックでは、サーバ全体の DNS テンプレートの目的と、それがどのように機能するのかを説明します。
サーバ全体の DNS テンプレートとは、DNS レコードの一覧です。Plesk にドメインが作成される都度、その DNS ゾーンが DNS テンプレートに従った DNS レコード付きで伝搬されます。Plesk のインストール時に作成されたデフォルト DNS テンプレートには、ウェブサイトの機能に必要なすべての DNS レコードが含まれますが、必要に応じてテンプレートにレコードを追加したり、テンプレートのレコードを変更または削除することができます。DNS テンプレートには、以下のようなメリットがあります。
- Plesk で作成されたすべてのドメインに、必要な DNS レコードがすべて設定されるため、ユーザの入力が不要である。
- Plesk 管理者がサーバのすべての DNS ゾーンを一括変更できる(Linux のみ)。
サーバ全体の DNS テンプレートを構成する
現在 DNS テンプレートに含まれるレコードを参照するには、[ツールと設定]>[DNS テンプレート]に進みます。また、この画面で、レコードの追加、変更、削除も可能です。
レコードを追加するには、[DNS レコードを追加]をクリックします。レコードを変更するには、レコードの名前をクリックします。レコードを追加または変更する際は、以下のプレースホルダを使用でき、ドメイン作成時に実際の値に置き換えられます。
-
<domain>
は、ドメイン名に置き換えられます。 -
<ip>
と<ipv6>
は、それぞれドメインの属する契約の IPv4 または IPv6 アドレスに置き換えられます。
例えば、「example.com」という名前のドメインを IP アドレス 123.123.123.123 の契約に作成する場合、DNS テンプレートの以下のレコードは:
<domain>. A <ip>
ドメインの DNS ゾーンで以下のようになります。
example.com. A 123.123.123.123
必要に応じて、ドメイン名の任意の場所を指定するワイルドカード記号(*)を使用することも、プレースホルダの代わりに実際の値を指定することもできます。例えば、サーバに多数の IP アドレスがあり、メールサービスはそのうち 1 つの IP アドレス 123.123.123.123 でのみ使用可能にしたい場合、以下のレコードを設定すると、123.123.123.123 以外の IP アドレスでホストされているすべてのドメインでメールが機能しなくなります。
mail.<domain>. MX <ip>
代わりに、以下のレコードを使用する必要があります。
mail.<domain>. MX 123.123.123.123
レコードの追加または変更時には、デフォルト DNS テンプレートのレコードを参考にすることをお勧めします。
レコードを削除するには、レコードの名前の横のチェックボックスをオンにして、[削除]をクリックします。テンプレートから特定のレコードを削除すると、Plesk で作成されたドメインの機能に影響を与えます。例えば、A レコードを削除すると、ドメイン解決ができなくなります。顧客のウェブサイトの機能に影響を与える DNS テンプレートに変更を加えてしまった場合、[デフォル]をクリックすると、デフォルトの DNS テンプレートを復元することができます。
DNS テンプレートには、デフォルト SOA レコードも含まれています。SOA レコードの値を表示・変更するには、[ツールと設定]>[DNS テンプレート]>[SOA レコードテンプレート]に進みます。[IETF と RIPE が推奨するシリアル番号フォーマットを使用]チェックボックスをオンにすると、Plesk が SOA シリアル番号を保存する方式が UNIX タイムスタンプから RIPE が推奨する YYYYMMDDNN フォーマットに切り替わります。YYYYMMDDNN フォーマットの使用は、欧州を中心に多くのドメインレジストラに求められます。レジストラに提供した SOA シリアル番号が拒否されたと顧客から苦情があった場合、このオプションを有効にすると解決できる可能性があります。
注:SOA シリアル番号が IETF と RIPE が推奨するフォーマットで保存されている場合、1 日あたりの SOA レコード変更回数は 98 回までに制限されます。ドメインの SOA レコードを 1 日に 98 回変更すると、SOA シリアル番号はそれ以上変更できなくなり、[デフォルト]ボタンをクリックすると DNS ゾーンからのすべてのレコードが削除され、DNS ゾーンの DNS サービスのオン/オフやスレーブ/マスターモードへの切り替えができなくなります。
DNS テンプレートの変更を適用する(Linux)
Plesk for Linux には、サーバ全体の DNS テンプレートのレコードをサーバ上の全ドメインの DNS ゾーンと同期する機能があります。この同期は、以下の規則に従って行われます。
- ユーザが変更したレコードは常に維持される(つまり、どのような状況でも変更や削除は行われない)。
- テンプレートに追加されたレコードはゾーンに追加される。
- テンプレートから削除されたレコードは、ゾーンからも削除されます(変更適用前にユーザが変更した場合を除く)。
- テンプレートで変更されたレコードは、ゾーンでも変更されます(変更適用前にユーザが変更した場合を除く)。
DNS テンプレートと DNS ゾーンの間でレコードを同期するには、[ツールと設定]>[DNS テンプレート]に進み、[DNS テンプレートの変更を適用する]をクリックします。以下のオプションから 1 つ選択することが求められます。
- ユーザが変更した DNS ゾーンにのみ変更を適用する
- すべての DNS ゾーンに変更を適用する
どちらのオプションを選択した場合も、ユーザが追加または変更した DNS レコードは影響を受けません。
注:DNS テンプレートの変更が DNS ゾーンに適用されると、Plesk は変更なし、つまりユーザが変更していないものとして取り扱います。変更されていないゾーンは、誰かに変更されるまでこのステータスを保ちます。復元、移行、アップグレードの後は、すべてのゾーンが、ユーザが変更したものとして取り扱われます。アップグレード、復元、移行後に DNS テンプレートの変更を適用する必要がある場合、「すべてのゾーンに変更を適用する」オプションを選択してください。これを選択しないと、DNS テンプレートの変更が適用されません。
また、DNS テンプレートの変更をただ 1 つのドメインにのみ適用することもできます。これには、該当する契約を管理用に開き、このドメインの[ウェブサイトとドメイン]>[DNS 設定]に進み、[DNS テンプレートを適用]をクリックします。